オーストラリア日記 (2001/2)

お正月も終わって、新世紀のスタートで盛り上がったのもあっという間でした。成人式のあり方が各地で問題になり、いろいろ議論はされていても、結局一年後には、また同じ事がありそうで、なんて事を考えていてもサーファーにとってはやっぱり海でしょ、寒い日本から脱出だという事で、行ってきました。

日本はまだまだ冬だけど、南半球のオーストラリアは当然、夏真っ盛り。日本からだと時差も無いし、サーファーズパラダイスって言うぐらいだから、サーファーには天国です。
 数年前に ゴールドコーストにサーフトリップ、12月だったので真夏のクリスマスウエーブを楽しみました。前回は、ゴールドコースト滞在後、北に300キロぐらい行ったサンシャインコーストに数日間、滞在しました。ゴールドコーストと違って高い建物もなく、のんびりしていてきれいな町並み、それになんと言っても、波のよさに惚れてしまいました。今回はブリスベン空港からサンシャインコーストへまっしぐらで、トリップの始まりです。
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ブリスベンから約200キロ、空港で借りたレンタカーで、約2時間のドライブです。ほとんど一直線の道で、しかもほとんど平坦、変化の無いドライブは多少、退屈。時たま遠くに見える山はグラスハウスマウンテン、大きな大地にいきなりもっこりと山があります。その形は、空から山が落ちてきたようにも見えます。
1時間半ほど走って、マルチドールの町から海岸線に出ました。ここからヌーサまでは海岸線のドライブ。波はあるものの風はサイドオン、サーファーもほとんどいません。海を見ながらのドライブは あっという間に目的地ヌーサヘッズまでたどり着きました。
 私のステイ先はヌーサヘッズの ビーチサイドのコンドミニアム。部屋からは海も見えてご機嫌、むろんポイントまでは歩いて行けるし、町までもすぐなので快適です。  波は毎日、膝ぐらいしかなく、風はヌーサの岬からふいているので、サイドオンショア。楽しみにしていた、ナショナルパークやティーツゥリーのレギュラーマシンウエーブには最終日までお目にかかりませんでした。

 車で10分ぐらい行った、サンシャインビーチには サイドショアながら胸ぐらいの波はあるので、もっぱらサーフィンはサンシャインビーチまで行って浸かっていました。  波がないとサーフトリップのレポートといっても、悪かった、波無い、風悪い、最悪と 書き並べられたら これを読んでいる人も一緒にバットになってしまうので、今回はヌーサヘッズナショナルパーク内のアレクサンドリアベイまで、サーフィンしに行ったことをレポートします。

サンシャインビーチの波

サンシャインビーチの波

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 ヌーサーヘッズはオーストラリアでも北のほうにあるので、・・・・南半球なので、赤道に近いということです。・・・・・やしの木もいっぱいあるし、かなり暖かいです。日本でいうと奄美大島ぐらいの位置になるので、冬でもスプリングスーツで入れるそうです。  そんな、ヌーサのナショナルパークは岬が全部公園になっています。公園といっても、その中にサーフポイントだけで5,6ヶ所あって、波のあるときの遊歩道はサーファーたちでごった返しています。朝食を済まして、波の無いメインビーチを眺めて一休み、今日は気分転換にアレキサンドリアベイまでハイキングです。ナショナルパーク入り口の海沿いの駐車場に車をとめて、ボードをかついで海沿いを歩いていきます。駐車場の横はナショナルパークという、そのままのポイントネームがついたライトのファンウエーブポイント。ロングボードフェスティバルも行われて、世界各国のトップロングボーダーたちが、ここの波をお気に入りにしているはずのメジャーなポイントです。ここから先は車での乗り入れは禁止されていて、目的地であるビーチまで海沿いの上り下りで、約4キロ、ゆっくり歩いてこ一時間かかります。
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 遊歩道の入り口には公園内の地図のほか、植物や動物などの写真、えさをあげないでくださいだとか、枝を折らないでくださいなどの注意書きがあります。コアラの写真も有って、ほんとにいるのかよと思っているのは私だけでは無いようで、いたら見たいなって、九ちゃんの・・ここで言うキュウちゃんは金メダリストではなく、さかもとキュウの事です。・・・歌を口ずさみながら上を向いて歩いてみました。・・・ちょっとふるいかな?でも、歩いている人みんな、木の上を見ています。
 15分ほど歩いてティーツゥリーポイントが見えてきました。このポイントもライトのポイントで、・・・この岬に沿ってあるリーフブレイクは全てがライト、ちなみに私はグーフィーです。・・・右の岩からパーヘクトにラインナップします。3年前にきたときにはここで、楽しくサーフしましたが、インサイドは浅くバックフィンが岩にもぎ取られてしまい、今回はリベンジする気まんまんでしたが、残念、波はロング缶ぐらいしかなく、もし入ったら、リベンジどころか逆にぼろぼろにされてしまいます。

グラナイトベイ

グラナイトベイ

ティーツゥリー

ティーツゥリー

 そんな事を考えながら、黙々と歩いていくと次のポイント、グラナイトベイです。ここはある程度サイズがあがらないといい波にはなりません、岬の先端に近いのでうねりもダイレクトに入ってパワフルです。グラナイトベイから森の中を上って、そして下っていくと見えてきました、ゴールのアレキサンドリアベイです。42,195キロ走りきった満足感に似た、・・・実際は4キロ、しかも歩いた、しかも帰りもある。・・・喜びを感じて海岸に向かう下り坂を一気に滑るように駆け下りました。この海岸は2キロほどの白い砂浜の海岸で、国立公園の中にあるので人も少なく、時たまいい波がわれるので、絶対来たかったのです。

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 このビーチにきたのは2回目、波はそこそこだけど、実はこのビーチ別名ヌーディストビーチで、トップレスはあたりまえで、すっぽんぽんもありなのです。喜びを感じて駆け下りる姿も、実はしたごころ丸出しのただの親父になってしまっていたのでしょうか・・・波を求めているのか、裸を求めているのかは、本人のみ知るところなり・・・。

 波のほうは胸ぐらいで、多少風が入っているけど十分サーフできる状態、さっそく海へ、楽しむだけの波は十分すぎるほどあります。 だってこの海岸見渡すところサーファーは私一人ですから、思わずフルチンになってサーフとは、自信がないのでやめましたが、後で考えるとそんな事できるのは、ここぐらいだからやっとけば良かった。・・・ただし、日本代表選手としては基準に達していないようで・・・・・

 たいした波じゃないからか、サーフボードを持って歩いてくるのが大変なのか、20~30人はビーチにいるけれど、サーフしているのは自分だけって結構最高の気分です。
ビーチにいる人はカップルが多く、ごろ寝して本を読んだり、波打ち際でたわむれたりと、思い思いに楽しんでいる様子。

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 残念ながら、素っ裸なのは親父ばっかりで、ここまできて悪いもの見てしまった、親父の裸は銭湯でも見れる、見たくなったら自分のものを見ればいい、テンションは一気に下降気味です。・・・・中には素っ裸なのにハットにサングラス、日本だったらすぐに逮捕されて、朝のワイドショーの話題にされそうなおじさんもいて、そのおじさんがこっちを見てはニヤニヤ笑ってきてホモっぽくて怖かった。

 そんなビーチでのエンジョイも数時間が過ぎ、また1時間のハイキングです。海から上がった疲れた体では、ボードを持ってのウォーキングはこたえます。30分ぐらい歩いて一休みしていると、森の木の上にいましたいました、コアラが木に抱きついています。思っていたよりも高く、10m位上にほとんど動かずにじっとしています。コアラは夜行性なので、昼はほとんど動かないそうですが、望遠で見ると少しの動きを見る事ができました。3、4本離れた木の上にももう一匹発見、こんなにのんびり動く動物が、自然と共存できるのはオーストラリアのナショナルパークならでわです。日本では珍しい動物だとすぐに剥製にされるので、こんなにのんびりしている動物だとすぐに捕まって売られてしまいそうで、かなり怖いものがあります。

ナショナルパークポイント

ナショナルパークポイント

こんな道です

こんな道です

自然の中でコアラも見れて気分は最高、上をむいて歩いたおかげでしょうか、それとも波がないので、神様のプレゼントでしょうか、いい思い出ができました。車を置いた駐車場の横には、公園の管理事務所があって公園内の動植物の写真の展示や、本やポスターの販売もしていて、思わず写真集を買ってしまった。
 オーストラリアでいつも感じる事は、サーフィンが文化として認められているという事。ビーチサイドのホテルならどんなにいいホテルでも、ぬれたトランクスにサーフボーをもって歩いてれば・・波どうだった・・・て話しかけてくるし。

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どんなに小さいビーチでも、駐車場、トイレ、シャワーが必ずあって・・むろんそれが無料で使えて。 サーフポイントに降りる道も、階段や手すりがつけられていて、・・・それが枕木だったり廃材だったりはするけど・・・サーファーのために整備されています。
 波の小さいビーチでは積極的に子供たちのサーフィンスクールが行われて、ライフガードも見守っています。 ブリスベン国際空港には免税店にサーフショップがあって、オッキーのでかいポスターが張ってあって、日本のスポーツで言うと野球やサッカーなみの人気があることを思い知らされます。

日本にも2世サーファーが多くなってきて、メジャーなスポーツになって来て、少しでもサーフィンしやすい環境を作れたらいいなって思いました。最後にはきっちりと、良いこと言って締めくくったようです。
波は悪かった今回のトリップ、ただでは帰ってこないお天気おじさん、今回は波以外の楽しみも少しわかったようです。